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2008年06月01日
富士山
家族が体調を崩した。
4本の足で、辛うじて安定していた机の脚が、
1本少なくなると同時に、安定感を失うように
家族の安定感も失われる。
私は仕事人としては優秀だが、果たして家庭人としては?
大きな疑問を感じる土曜日の夜!!
少しだけ体調異変を、自分にも感じる。
私は中学校時代から、数ヶ月に1度、緊張感が高まったり
不安感が高じたり、体の疲れが極度に貯まると、
なぜか朝までまんじりともせずに、眠れない夜を送ることが何度もあった。
大きな試験の前日などは必ず、緊張から気分が悪くなり、その上に朝まで眠れない夜を
過ごすのは珍しいことではなかった。
自分の精神面の脆さと、器の小ささを、何度も何度も悔いたものだ。
人間の性格なんて、中年になっても、そう変わるものでなくて
今でも数ヶ月に1度、極端に朝まで眠ることができない日がある。
それが、なぜか昨晩訪れた。
日曜は仕事のために、必ずいつもの5時55分に目覚めようと思っていた。
就寝が遅くなり、深夜1時を回った。
睡眠時間が5時間を気っても、熟睡すれば関係ないと高を括っていた。
しかし、嫌な感は的中するもので、1時半を過ぎても、2時を過ぎても、眠れない。
今までは、必ずそういった夜は原因があったので、落ち着いて原因は何か?考える。
私は、ある意味、A型気質そのままで、精神面で繊細な面があり、
患者さんからのクレームの電話や、1通のメールで凄くへこむ事が多い。
原因は?原因は??考えるうちにどんどん時間は過ぎてゆく。
午前3時を回り、午前4時を時計で確認する。
こんな夜は既に亡くなった祖母のことを、いつも思い出す。
私は中学生時代も、高校生時代も、さすがに大学生のときは遠慮をしたのだが
眠れない夜は、いや眠れない朝は祖母の部屋を訪れて、祖母が飲んでいた
精神安定剤を1個所望した。
早朝何時になろうが、その1個の安定剤は必ず、私に少しだけでも、眠りを与えてくれた。
そんな時、いつも祖母は私にこう言った。
「こうちゃんは、本当に心の優しい子だ。」
「目をつぶるだけで、眠るより、半分だけだが体と頭が休まる!」
その祖母はもういなく、精神安定剤は1個もない!!
朝の6時前にすごすごとベッドから起き出して、仕事の準備を進める。
「結局、一睡も出来なかった!でも大丈夫!
目をつぶったので体と頭は半分は休まっている!」
始発の全日空の東京便は、意外に空いていた。
昨日の雨が上がった影響からか?今日の日本の空は本当に綺麗で
眼下に広がった海も島もとても美しかった。
その美しい島の向こう側には、あの富士山が雲の上に姿を現していた。
「美しい!!」
感動した私はデジカメを出して、島と富士山の写真を撮影していた。
「日本の空って、本当に美しいですね!」
突然、背後から声を掛けられた。
自分の心の声が回りに聞こえたのか?とドキッとして私は振り向いた。
「私もよく写真を撮るのですが空の写真ばかり撮っています!」
にこやかな笑顔の全日空の客室乗務員の方の姿がそこにあった。
その人の言葉で、私は1週間分、いや1ヶ月分の
元気をもらった気がした。
投稿者 nakano : 2008年06月01日 20:05