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2008年08月17日
コロンボからドバイへ!
コロンボへ
火曜日の診療を7時に上がって
岡山空港へと急ぐ!7時50分発の羽田行きの
ANAに搭乗するためだ。
定刻より少し遅れて9時過ぎに羽田に到着!
この時間からは成田空港までのアクセスがないことは
先日経験済み!品川のホテルへ宿泊して、翌日
成田エクスプレスで成田へ移動した。
成田発の11時のANA111便でシンガポールへ飛ぶ。
横の登場口が何か騒がしい。
覗いてみると先日就航して話題になったシンガポール航空の
エアバス380、あの2階建ての超大型ジャンボが
時を同じくしてシンガポールへ飛びだとうとしているのだった。
このエアバス380のファーストクラスはスイートクラスと
呼ばれてファーストクラスの上のランクと聞いた。
世の中には凄いものがあるものだ。
格差社会の表れを垣間見る。
ホテルにも大きな格差が生じている。
世界には5つ星ならぬ、7つ星のホテルがあのドバイにある。
バージュアルアラブ
海の上に浮かぶヨットの帆のような特殊な形のホテルを一度は
目にした事があると思う。
シンガポール航空のエアバス380のスイートクラスも
ドバイのバージュアルアラブも一度は必ず体験しようと思っている
私だが、今回成田からシンガポールへ飛ぶのは理由がある。
それはそのドバイをこの目で見たかったからだ。
今石油の価格がどんどん高騰していて、食料品など全ての
価格が全世界的に高騰している事実がある。
日本はもちろん、ベトナムやカンボジアのインフレ率も食料品の高騰も
特に発展途上の国では深刻な問題となっている。
その反面、石油算出国のアラブでは未曾有の好景気に沸くという。
ドバイでは、世界で一番高いビルが建てられ、世界一の地下鉄が建設中で
世界一のショッピングモールが出来ていると言う。
それだけでなくて、海に浮かぶ椰子の形をしたパームアイランドには
あのデビッドベッカムも既に別荘を購入したと聞く。
日本に住んでいるからといって、そのような世界情勢に疎くては
大きなうねりに巻き込まれて時遅し、手遅れになりかねない。
だから今ドバイで、現地の様子を自分の目で見て、今後の自分の行動を
綿密に計画したいと思った。
日本にいても、ドバイの状況も、石油の価格もネットや新聞で必要な情報は全て手に入ると思われるかもしれない。
しかし現実はそうでなく、日本のマスコミの情報がいかに偏っていて、操作されているかは、海外に出て現地の情報に触れてみて初めて気が付く事が多い。
しかしドバイに行くのに、なぜ私は羽田まで飛んで、品川で一泊して
成田からシンガポールへ飛ぶのか?
実はこれには理由があった。
コロンボ発券で格安のドバイ行きのチケットを発見したのだ。
コロンボは、今では以前ほど「うま味」は無いのだが世界一航空券が安い場所である。
以前シンガポールで発券したチケットの最終区間の成田―シンガポールが残っていた。
シンガポールからコロンボまで飛べば、そこからドバイ行きの格安のチケットが手に入るのだ。
海外に出かけるのには、ツアーで無く個人なら相当な下調べが必要となる。
しかし最近の私は忙しさにかまけて、出たとこ勝負でほとんど下調べと準備をしない。
成田空港のチェックインカウンターで、コロンボへの乗り継ぎの件を話したら
「スリランカのビザは既にお持ちですか?」と聞かれる。
「ビザ?」
「コロンボの空港で取ります!」と咄嗟の言い訳をした。
えっ!スリランカ入国ってビザが要ったかな?不安に思う。
シンガポールチャンギ空港のトランジットカウンターで
再び「あなたはスリランカのビザ持っていますか?」と英語で聞かれる。
「ビザ??」
もしビザが無いために、入国できなかったら、どうしよう?
ドバイに行けない!コロンボから強制送還されるのか?
顧問税理士の先生のある言葉が思い出された。
「中野先生、もう普通に海外旅行のチケットを買われてはどうですか?」
私が格安に拘る余り、リスクを取り、時間を大量に無駄にしていることに
業を煮やした優秀な顧問税理士の先生は私に何度もそうアドバイスした。
でも私は海外旅行でのトラブルを楽しんでいる節がどうもある。
海外での咄嗟のトラブルに、即時に対応することは
人間の器を大きくする事にとても効果的だと私は思っている。
胃の中のかわずではなくて、海外をより多く知ったものが
今後の混沌とした世界経済の状況においては必ず強みを発揮する。
それに、それに
私は大きな声では言えないが、ドバイのドがつく「M」体質の歯医者なので
海外でのトラブルは大好きなのだ!!
バンコクでタクシーにボったくられても、ソウルの垢すりで変な男達に拉致されても
深夜のコロンボで命の恐怖を感じても、命さえあれば少しのトラブルは
大したことは無いといつも思っている。
そのためか?海外でのトラブルは私にはとても多い。
これも「呼び寄せの法則」か?
シンガポールチャンギ空港は乗り継ぎにはとても優れた空港である。
無料のインターネットがいたるところにあるし、もちろん24時間オープンしていて
あらゆるサービス面で優れていて、あの成田空港とはえらい違いを感じる。
今回5時間の乗り継ぎの時間が合ったので、嬉々としてサービスカウンターへ進んで
無料の市内観光を申し出た。
シンガポールでは乗り継ぎの時間が4時間以上あれば
何と無料で市内観光が楽しめるのだ。
「4時20分に最終のバスは出発しました!」
時計を見ると、4時50分!やはり下調べをするんだった。
後悔先に立たず!
仕方が無いので、空港のプールでぼけっとすることにした。
水着はスーツケースに入れたまま、コロンボまでスルーで預けているので、仕方なく空港の中を走り回ってスポーツショップで水着を購入した。
シンガポールからコロンボまでの夜の9時半出発のキャセイパシフィックは、5時間前に到着した全日空とかなり様子が違っていた。
ほとんどの乗客がスリランカ人?色が黒くて、独特の体臭がきつい。
欧米人の姿もほとんどなく、アジア人、それも日本人の姿は私だけである。
ほとんど真っ黒なスリランカ人、それもなぜか若い男性がほとんどだ。
楽しみにしていた機内の映画の放送が、なぜかこの便にはなくて
3時間半の時間がとても長く感じられた。
今回、私はビザがない!無事入国できるのだろうか?
またホテルにリクエストした空港からホテルへの往復の送迎の返事を
もらっていない。
私はホテルまでちゃんと行けるのだろうか?
家族の顔が目に浮かび、一人で機内にいる自分を改めて寂しく思った。
独特の匂いと雰囲気のなか、機内は若い男性のスリランカ人で混雑していた。
荷物を上げるときに、斜め後ろのスリランカ人の女性の方と目が合った。
機内には珍しく若い女性だ。
それも凄い美人である。
昔日本でも流行ったインド映画の女優さんのように
彫りの深い顔がとてもエキゾチックである。
3時間半のフライト中、なぜか私は彼女と何度も目が合った。
そう、何度も!何度も!!
スリランカの暑い夜?新しい恋が生まれそう??
何て思いがふと頭を過ぎる。
いかん!いかん!!これじゃー○○モナと呼ばれてしまう。
妄想を消し去ってしばしの眠りに付く。
スリランカ現地時間の夜11時前にコロンボの国際空港へ何とか私は到着した。
ビザのことで頭が一杯だった私は、少しでも早く機内から女性が
私の後ろに並んでいた。
何か?背中の神経が少しだけ過敏になっている感じがした。
体の神経が背中に集中するのを感じた。
その時だった!
「HELLO(ハロー)」
後ろの美人が私を呼んだ
えっ!私に声を掛けている??
咄嗟の判断が出来ない私に、そのスリランカ美人はもう一度声を掛けた。
「Hello!!(ハロ−)」
声を掛けている!この私に!!間違いない!!!
ここはスリランカと言えでも、女性に恥をかかせる訳にはいかない!!!
満面の笑みを湛えて、思い切って「ハロー!」と言いながら振り返った私は
そこで綺麗な人が携帯電話で、誰かと話しをしている光景を見るのだった。
オーマイガーッ!!
気まずい!大きな勘違いだった。
機内にいた若いスリランカ人の男性が一斉に私のほうを見た。
そんな気がした。
「お願いだから機内での携帯電話やめてね!」
「勘違いするからね!!」
スリランカは内戦が続き、テロ等が起きているので
空港の警備にもかなり気合が入っている。
自動小銃を持った警官が、何名も警備している姿は
平和ボケしている日本人の歯医者には凄いとしかいいようがない。
何とか空港からそう遠くないニゴンボに付いた私は
深夜にホテルにチェックインをした。
心配したビザはスリランカの入国には必要なかった。
またホテルに依頼した送迎は私の名前を書いたプラカードを持った
スリランカ人が丁重に迎えてくれた。
今回の宿泊はニゴンボにあるブルーオーシャニックビーチホテルだ。
朝食コミでダブルの広い部屋が1泊5000円はトランジットでは
充分である。
かなり前にモルディブへのトランジットで、このホテルへ家族で宿泊したときは
バスタブはなくて、シャワーのみ!そのシャワーもお湯が出なくて
茶色い水がチョロチョロでるだけ!
家族は部屋の外に群がっていたヤモリの大群に恐れをなした。
また部屋の外では波の音がうるさくて、一睡も出来ずに朝を迎える経験をした。
今回は2度目の宿泊で、以前のようなヤモリの姿はなかったが
湿ったシーツのベッドは心地よいとは決して言えなかった。
また蚊の襲撃に夜中にあって、湿ったシーツを蚊帳のようにして
朝まで蚊の襲撃から身を守った。
早朝になると鳥の鳴き声がとてもうるさい。
1時過ぎに就寝して、現地時間の5時過ぎには鳥の鳴き声がうるさくて
目が覚めた。
朝食に特別にリクエストしたパサパサのフレンチトーストを頬張りながら
それでもなぜか、少しだけ居心地の良さを感じる私だった。
このホテルはスリランカでは大手のジェットウイングが経営しているのだが
数年前にこのホテルの横にはザビーチというニゴンボで始めての5つ星と呼ばれるホテルをオープンさせた。
ビーチ沿いにそのホテルに潜入してみると、すがに5つ星は違う。
アマンのようなハードに似せたホテルだった。
肝心のサービスはいかに?いつかは経験するだろうか?
またこのブルーオーシャニックビーチホテルとザビーチの間には
ジェットウイングがアーユルベーダの大きな施設を作っていた。
その施設の価格が全てユーロで表示されている事実に私は驚いた。
ここスリランカでもドルからユーロへと貨幣は大きな転換を迎えているようだった。
そしてドバイ
ニゴンボのホテルから空港までホテルから車で20分程度
厳重な警備の中、以外にチェックインカウンターまでの道のりは遠い。
早めに来て正解だった。
お昼のエミレーツ航空のドバイ行きでドバイに向かう。
そしてスリランカを出発してから4時間半後、長い長い旅を通して
やっと私は初めてのドバイの地に降りる事ができた。
ドバイの空港は、多くの人で溢れていたが、凄い豪華な設備に圧倒された。
最初からオイルパワーを見せ付けられる。
空港からのタクシーで片道6車線の両側の高層ビルがほとんど建築中なことに
度肝を抜かれる。
何だ、この都市は?ほとんどが建築中なのか?
これだけオフィスビルや住宅のニーズが果たしてあるのか?
街中が本当に建築ラッシュ!砂埃が待っていて上海とはまた別の大きなパワーを感じる。
今回、ドバイで宿泊するホテルは「ザ パレス オールドタウン」と言って
世界一の建物となるバージュアラブの近くのホテルである。
私は高いものがあると、必ず登りたくなる習性があるので、
台湾の101も、クアラルンプールのペトロナスツインタワーも制覇しているが
このバージュアラブの高さは半端ではなかった。
遠くから天に延びる様な剣のような姿が目に入る。
ドバイの街が、ほとんど建設中のために、砂上の楼閣のように感じられる私には
このバージュアラブはまさにバベルの塔のように見えた。
この世界一となるバベルの塔のレジデンスは発売8時間で全て完売!
ホテルはアルマーニホテルが入ると聞いた。
どこまでも天に延びるバベルの塔は果たして実体経済を反映する本物なのだろうか?
「ザ パレス オールドタウン」は新しいホテルだが、アラビア調の建築が心地よく
私の部屋は1階にあり、プールエリアに歩いてゆける場所!
何と部屋を出ると目の前に広がるのは世界一のバージュアラブ!!
何かバージュアラブから大きな力を感じる。
今回のドバイ行きの目的はいくつかあった。
旅行では準備はしない私だが、旅行の目的を達成させるためには事前の準備は欠かせない。
私のドバイでの3つの目的は、
1、 ドバイの医療を視察する事、特に歯科医療。ドバイは今、国を挙げて高い医療サービスを提供する地区を建設している。日本人の歯科医師でも、簡単な英語と試験に合格すれば、ライセンスが発行されてこの夢のドバイで開業が可能なのである。
2、 ドバイ株に投資するための口座開設。原油価格の高騰が私達の生活を圧迫するのなら、ヘッジとしてドバイ株を長期で保持するのは悪い選択ではないように思う。
3、 経済特区ドバイに会社を設立する。私は理由があってドバイに自分の会社を作りたいと思っていた。
この3点の目的のため、私はドバイ在住の数名に面談を求めて日本からコンタクトを取っていた。それは以下の3名。
1、ドバイに開業しているドイツ人の歯科医師。8月はドバイは暑いので、1ヶ月診療室を休んで、ドイツに帰国するので面会は駄目。
2、ドバイの証券会社の日本人の○○さん。お盆休みで2週間日本に帰るので面会は駄目。
3、ドバイの会社設立に詳しい日本人の○○さん。ドバイの夏は暑いので1ヶ月休暇で日本に帰るので面会は駄目!
何と、何と、驚きの3連敗!誰にも会えないなんて!!!
そして私の今回のドバイ行きの目的は
1、 リラックス、休む
2、 運動を始める、ダイエット開始
3、 バージュアルアラブに行く
この小さな目的3点に変更された。
余りにも大きな変更に少しだけへこむ。
しかし暑い!ドバイは暑い!!
夜になっても熱気は収まらないで日本で感じない地面からの暑さを感じる。
8月のドバイは本当に大変な暑さ!連日40度を越す暑さで、50度近く気温が上がることもあると聞く。
日本やドイツに帰る気持ちはわからないでもない。
しかし初めてのドバイの一人旅で一番困ったのが、この暑さよりも食事であった。
このホテルにはタイ料理のレストランがあったので
初めての夕食は、そこに一人で出かける。
ドバイは物価が高い!特にレストランの価格は凄く高い!
レストランによっては600ディルハム、日本円で18000円以上の食事を取る事を予約の際に必須とするレストランもある。
家族の記念日ならまだしも、一人でその料金は払えない。
ここのタイ料理のコース料理は、安くても1人8000円程度する。
また欧米人のポーションなので凄く量が多い。
コースではなくて、アラカルトで注文したいと話して
パパイヤのサラダと.タイ風の焼きそば「パッタイ」のみをオーダーする
このアラカルトは、量が凄く多かった。
味は良かった!凄くうまい!しかし量が、量が多すぎる。
残せばいいのだが、私は両親から食べ物を残さないしつけを受けているので、
出された食べ物を残す事に大きな罪悪感を感じる。
大きなお腹を抱えたまま部屋に戻る。
ドバイの1日目は腹12分目ですぐにダウンした。
ドバイ2日目
ドバイの2日目の計画は完璧だった。
まずは初めてのドバイをよく知るために、ビッグバスに乗る。ドバイではビッグバスと言うロンドンの会社が観光ルートのバスを2路線運行している。
タクシーで移動するのは一人では勿体無いので、このビッグバスを有効に活用することにした。
ワーフィーと言うエジプト調の建物の前からこのビッグバスは出発している
運航開始の9時の30分前より、私はスタンバイして待っていた。
しかし朝の8時半なのに本当に暑い!30分も外にいると体力の消耗をまざまざと感じる。
まずは旧市街のレッドコース。9時に出発した2階建てのバスの最前列に陣取った私は
90分でほぼドバイの旧市街の様子は理解した。
10時半にワーフィーに戻り、ブルーコースに乗り換えて、ジュメイラビーチへ向かう。
有名なヨットの帆のような形の7つ星のホテル「バージュアルアラブ」が見えてくると
バスの乗客はいきなりヒートアップ!!写真撮影大会とバスの中はいきなり変わった。
世界一の人口スキー場を有する巨大モール「モールオブ ジ エミレーツ」でバスを降りて買物をしようと思うが、最近の私は物欲を捨てようと思っているので、グッチのショップに入っても、ヴィトンのショップに入っても、あまり心がときめかない。
しかし観光のために、財布とカメラと携帯を、私はRSK山陽放送からもらったアレスケ君の紙バッグに入れていた。ボロボロになった紙バッグなので、いかに「みっともない生き方」がしたい私でも、少しその格好は気にしていた。
紙バッグを持って観光をしているアジア人ってなんだか怪しい!!
ドバイではブランドショップでも、ディスカウントは出来ると何かの本で読んだ事がある。
グッチで丁度よい大きさの肩にかけるバッグを見つけた。
ショップの表には「スペシャルディスカント」と書かれていた。
グッチの定員さんに「これディスカウントして!」と英語でしゃべると
露骨に嫌な顔をされた。
そして買い物はあきらめた。
一度ホテルに戻り、身支度を済ませて、私はあの7つ星ホテル「バージュアルアラブ」へ向かった。
宿泊するのではない!スパに行くのだ。
このホテルは海上に建設されていて、ホテルに行くには1本の道路しかない。
このセキュリティは厳重で、宿泊者とレストラン等の事前の予約者しかホテルに入る事は許されない。
そのため、私はこのホテルのスパを日本からメールで予約していたのだった。
この予約確認書をゲートで見せないと、ホテルへは入れない。
何回かスパの担当者と英語のメールでやり取りをしたのだが、最後に確認書が来ていない事に私は少しだけ不安を感じていた。
海外では少しの不安は、すぐにその場で解決することが肝心だ。
一応メールのやり取りを印刷したものを、プリントアウトして日本から持参してきた。
宿泊のホテルから、タクシーでバージュアルアラブに向かう途中で、このプリントした紙をホテルに忘れた事に気がついた。
嫌な予感がした。
バージュアルアラブのホテルへ通じるゲートで私は
「このホテルのスパに4時に予約している中野だ!」と英語で話した。
すると恐れていた現実がそこで起こった。
「あなたの名前はこちらのリストには無い!あなたを通すことはできない!!」
オーマイガーッ!!
「でも私はインターネットから予約して、ちゃんとクレジットカードの情報も伝えた!」
「では何か確認できる予約確認書を見せろ!」
「それは、それは、無い!!」
こんな押し問答が延々と続いたのだが、一向に埒が明かない。
ここまで来て帰る訳にはいかない!このホテルは市街からかなり遠いのだ。
「スパの担当者と電話で話がしたい!」
そう言う私の主張をセイキュリティの方は認めてくれて、電話の取次ぎをしてくれた。
スパの担当者の話を聞くと、「私の予約は最後までできていなく、取り消しとなった」と言われる。「取り消しの理由は、私が最後の確認の返事を寄こさなかったからだ!」と言う。
押し問答が続いたが、先方も自分に落ち度があると思ったのか?4時は無理だが、4時半ならスパの部屋を何とか用意できると言ってきた。
そして私は、何とか何とか「バージュアルアラブ」への潜入に成功したのだった。
このホテルは凄い!
近未来的な奇抜なデザインとアラブ独特の文化が融合して
なんとも言えない雰囲気を醸し出している。
フロントはなくてチェックインは全てお部屋でするらしい。
入り口には何名もの人がいて、デーツというアラブのデザートを配るものや
ローズウォーターを配るものや、アラビアンコーヒーをサービスするものなど
それぞれの役割があるようだった。
全てのお部屋がスイートで、最低の宿泊料が13万円ほど。
おいそれとは宿泊できないこのホテルのお客様はヨーロッパのセレブと
アラブのお金持ち!
お金持ちは見た目もカッコいい人が多かった。
本当に世の中には凄い世界があるものだ。
この7つ星のホテルの18階にアッサワンスパがある。
このスパも入り口だけでもキラキラしていて豪華絢爛である。
60分のスパは、その気持ちのよさに、ほとんど眠っしまって、感想など何も無い。
さあ、バージュアルアラブも体験したし、ホテルに戻ろうか?それとも
妻のお土産を探しにダウンタウンへ繰り出そうか?
ホテルの表に出ると、そこにはいつものホテルの前に数台待っているタクシーは1台もなかった。
ホテルのリムジンか、レクサスのリムジンしかなかった。
普通のタクシーは往路はよくても復路は無理らしい!
ここは思い切ってレクサスのリムジンで、ドバイのブランドショッピングはここと
呼ばれるバールジュマーンセンターへ向かった。
リムジンの運転手が、その場で降ろすだけでいいですか?それとも待っていましょうか?と聞いてくるので、片道だけの利用で長い距離を誰も乗せないで帰るのは、効率が悪いので帰りも稼ぐためにそう言っていると私は解釈した。
しかしその解釈は大きな間違いで、運転手さんは好意で言っていた事に私はすぐ気が付くことになった。
バールジュマーンセンターに到着すると、そこではタクシーを待つ長蛇の列が出来ていた。
本当に長蛇で最後の人はこのままじゃ2時間位待つんじゃないかと想像された。
さっきのリムジンを返したことをすぐに後悔した。
ショッピングは何も買わないですぐ終わったので、そこからタクシーを捜すのが大変だった。
このままここで列に並んで待つことは私には出来ない。
少し移動してタクシーを捜そう。そう思った私は、外を歩き出した。
しかし夕方とはいえ、ドバイの暑さは半端ではない。
5分も立たないうちに汗が噴出してくる。
また基本的にドバイの街は工事中が多いのと、人が歩くように設計されていないので
すぐ目の前のホテルに向かおうと思っても、なかなか辿り付かない。
20分ほど掛かって目の前のホテルへと到着!しかしここにもタクシーの姿は無い。
かなりの時間が経過した時に一人の人が私に声を掛けた。
「どこまで行くんですか?」
私は、ホテルへ帰ることと、さっきのセンターでお土産を買えなかったので
ゴールドスークと言う金製品を売っている場所へ移動するかどうか?タクシーが捕まらない状況を考えて、秤にかけた。
「何とかなる」そう決心した私は、その人に「ゴールドスーク」へ行きたいと言うと
その人はホテルのリムジンの運転手の人で、わざわざ車を私のために出してくれた。
ゴールドスークは凄い熱気に溢れていた。
ここの金製品はデザインじゃなくて重さで価格が決定する。
豚肉を売るように秤で重さを測って価格が決定するのだ。
妻に金のネックレスを買おうと粘った私だが、アラブ人の強引さに後ろに押されて
結局何も買えずにスークを後にした。
このような市場では、余り遅い時間になればリスクも高まり、タクシーが拾えない!!
これはアジアでも同じである。
ソウルの東大門市場、台北の夜市、バンコクのバッポン、全てタクシーがなかなか拾えない。
早く帰ろう!
そう決心した私は表通りに出ると、既に時が遅かった事に気がついた.
そこで私が見た光景は多くの人が参加してのタクシーの争奪戦だった。
到着したタクシーに一列で並んで順番に乗るんではなくて、人より先にタクシーへ向かって窓口から運転手に交渉してタクシーに乗り込むのだ。
私は決してそのような行為は苦手ではないが、押しの強いアラブ人と欧米人に圧倒されて
20分経過しても30分経過しても1台のタクシーを確保することができなかった。
同じ境遇の観光客は私だけでなくて、横の英語を話すカップルも
30分以上タクシーを止めることができないでいた。
次から次にタクシーは来るのだがタクシーを待つ人が圧倒的に多い。
ここでは需要と供給のバランスがいびつに崩れていたのだ。
そのとき、アジア人の1人の若いお兄ちゃんが、その欧米人のカップルに話しかけた。
「この時間は、タクシーはほとんど捕まらない!私と金額を交渉しないか?」
「どこどこまで幾ら?」
「80ディルハム」
「高い!60にしろ!」
「いや私もビジネスでしているので、まける事はできない」
シロタクだ!
アジアでも多いのだが、認可されていない白タクの被害は多く報告されている。
普通の金額の2倍や3倍を平気で吹っかけてきて、それも現地に到着すると勝手に値上げしたり、交通事故を起こしたり、国によっては金品の強奪も報告されている。
海外では、絶対に白タクに乗ったらいけない!
これは海外旅行者の間では常識である。
その欧米人のカップルは、一度は値段交渉が成立したものの、安全面での不安を感じたのか?次の瞬間、交渉は決裂した。
その時に、私の前に一台のタクシーが止まった。
そのタクシーに私と、アラブ人のの女性と、さっきの欧米人カップルの3組が殺到した。
アラブ人の女性が一番に運転手と話をしたので、負けたと思った瞬間
タクシーの運転手は欧米人のカップルに乗れとサインを出した。
これに怒ったアラブ人は運転手に文句を言うと、その運転手は「客を選ぶのは私だ!」と捨てゼリフを残して走り出していった。
負けた!完敗だ!!このままではいつまで経っても帰ることが出来ない。
そして、ドンドンと夜は更けて、リスクは増大する。
意を決した私は何を思ったのか、さっきの白タクの運ちゃんに自分から声を掛けた。
「ジパレスホテルまで幾ら?」
「80ディルハム」
「高い!60にしろ!」
「いや私もビジネスでしているので、まける事はできない」
普通じゃ30が相場なので相場の2倍以上である。
でも2倍でも安全に帰ることができるなら高くは無い。
私は彼の金額を飲み込んで交渉は成立した。
彼の車は駐車上の奥のほうに止められていた。
窓ガラスは汚くて、外がよく見えないほどの、ぼろい車だった。
失敗した!事故でも起こすとどうしよう。
また違う道を走って、暗がりに連れ込まれたり、仲間が来て金品や命を要求されるとどうしよう!
幸い、道は凄く混んでいるので、いざとなれば車から飛び降りて走って、車と反対方向へ逃げると、まさか車を置き去って追いかけることはないか?
そんな思いで、こわごわと車に乗り込んだ。
とりあえず少しでも仲良くなろうと運転手の彼に話しかける。
「どこから来ている?」
「バングラディッシュ」
「ドバイに来て何年?」
「4年!」
「家族は?結婚しているか?」
「独身だ!家族はいない!」
「両親はバングラディッシュにいるのか?」
「父親は死んでもういないが、母親はまだバングラディッシュにいる」
この辺りから私は皮膚感覚として身の危険を感じる事は無くなっていった。
道も間違っていないし、意外に安全運転を心掛けている。
ただ唯一の問題は
問題は、このバングラディシュ出身の彼がホテルの場所はよく知っていると
言いながら、実は場所を知っていない事だった!!
私は夜のドバイで、運転手の彼と2人で工事中の人に声を掛けながら
ホテルの場所を探して何とかホテルへと戻るのだった。
いたるところが工事中のために一方通行が多く、入り口が規制されているので
近くににはいるのだが戻るに戻れない!!
今日1日は、本当に長かった。
ドバイ3日目
アメリカの方面に飛ぶと時差がきつい。
ヨーロッパの方面に飛ぶと時差はきつくはないが
夜は早く眠くなり、朝は暗いうちから目が覚める。
ドバイに来て私は急に朝方になり、朝の4時に毎朝目が覚めた。
夏のドバイでも朝の4時は真っ暗である。
でも朝の4時から暑い!!
誰にも会う約束が無いので、本当にこの3日目は何もする予定がなかった。
本は読みきれないくらいスーツケースに入れてきたので一日中プールサイドやお部屋で読書も悪くは無い。
でも折角ドバイにいるんだから!
朝から昨日のリベンジでゴールドスークへ向かう。
その段階で私はショッピング天国ドバイで何も買っていないことに気がついた。
このままじゃ家に入れてくれない。
昨夜のような熱気はないものの朝からゴールドスークは金の宝飾品を探すアラブ人で溢れかえっていた。
一先ず、一見のお客が多い店に入って、店員を捕まえて、女性用のネックレスが見たいと言う。本当にあんたはクレオパトラか?とこちらが恐ろしくなるような凄い派手なデザインのネックレスが売られている中、最もシンプルなネックレスを見つけた。
店員さんに言わせるとこれはネックレスじゃない!単なるチェーンだと言う。
金額を尋ねると、秤に載せて、17000ディルハムと言う。
日本円で5万円以上!日本人と言っても吹っかけられたものだ。
私は昨日別の店でずっとアラブ人と店員さんのやり取りを綿密に観察していた。
どの大きさのチェーンがどのくらいの値段か目星は付いていた。
この重さなら2万円もしないはずだ。
「高すぎる!」と言うと
「幾らなら買う?」と聞いてきた。
このセリフを話す店員から買う気は全くないので昨日の店へ移動する。
同じようなチェーンを見つけて値段を聞くと1本15000円ほど。
これなら昨日の調査を考えても適正な価格だろう。
その価格から値段交渉をするも、びた一文負けてくれなかった。
でも妻へドバイのお土産が買えたので少しだけ満足して店を出る。
旧市街の観光地に移動するも昼間でもなかなかタクシーが拾えない。
ここドバイでは本当にタクシーの需要と供給にバランスが大きく崩れている。
個人旅行では要注意である。
生まれて初めてのアラブ料理をランチで食べた頃から、私のお腹の調子が悪くなってきた。
何とかホテルの部屋に戻り、トイレに篭るも、3月のカンボジアの状況と少し勝手が違っていた。
お腹はゆるいのだがそう痛くは無い。
その代わりに肛門の周辺がとても痛いのだ。
歩くのにも支障が生じるくらい肛門が痛いのだ。
原因はタイ料理か?
一日目の夜はホテルのタイ料理、昨日の夜は、ホテルの前のショッピングセンターの中に
あの有名なタイ料理の「マンゴーツリー」を見つけて2日連続のタイ料理のディナーを取っていたのだ。辛い唐辛子が消化されて肛門の辺りまで降りてきたのか?
痛い!
最後の晩餐はどうしよう?
全ての食事をお一人様で食べていた私は最後はやはり自分が好きなものを食べようと
決意した。
そしてそして、肛門の痛い私は3日連続でホテルのメインレストラン「タイ料理」のレストランに行くのだった。
そんなにタイ料理が好きなのならドバイでなくてバンコクへ行けば?
今度から、そうする。
このホテルの場所はバージュアラブを中心に大きな都市が建設されていた。
ドバイモールと言う巨大なショッピングセンターがオープンしてバージュアラブが完成した暁には私はまたドバイの地を踏みたい。
1週間で景色が変わると言われるドバイの次回が私は楽しみだ。
投稿者 nakano : 2008年08月17日 20:42