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2009年05月04日
アメリカ審美歯科学会
アメリカ審美歯科学会
が日本のGWに合わせて
ハワイで開催される。
5年前にカナダのバンクーバーで
同学会が開催されたときは英語の壁にも阻まれて
玉砕してしまった私だが、今回ハワイなら
バンクーバーよりははるかにアクセスもよい!と
すぐに参加の意思を固める。
ハワイまでのチケットは関空発
成田発等、いろいろ選択肢のある中で
私は岡山発ソウル行きの片道のチケットが
余っていたこともあり、これも迷わず
ソウル経由の大韓航空ホノルル行きを予約した。
帰りの乗り継ぎの時間は抜群に都合がいいのだが
往路ではソウルで9時間程度の乗り継ぎの時間がある。
さてその9時間をいかに効率的に使おうか?
私は最近はあえてガイドブックを持参しない!
スーツケースはホノルルまでスルーで預けたので
小さなバッグ1つでインチョン国際空港へと
降り立つ!
とりあえずは江南のシティエアーターミナル行きの
直行のリムジンバスに乗り込んで、COEXモールを目指す。
今回のハワイでの前半の日程はかなり厳しいので
ホノルル行きの飛行機の中では少しでも
疲労を防いで睡眠時間を稼がないといけない。
だからソウルではマッサージか映画でも見て
体力の温存を図りながら、時間を消化しようと思っていた。
広いCOEXモールを一通り覗いて、シネマコンプレックスも見たのだが
見たい映画がまったく無い!
すぐに地下鉄で高速バスターミナルへと移動する。
以前一度、ここに近接するマリオットホテルに宿泊したことがある。
ここにはバスターミナルの片隅に大きなチンジルバン?
サウナがあったはずだ。
このチンジルバンは「セントラルスパ」と名前があって
、入場料は男女共同で入れるサウナまで利用して
10000ウォン(約700円)
チンジルバンは先日OHさんに入り方を教えてもらったので
ハングルだけの文字の中何とか理解できる。
中でスポーツマッサージを90分頼む!
日本人も多く来るのか?
「スポーツマッサージ、熟女が24時間お待ちしています!」
と日本語で書かれていた。
熟女の言葉に少し恐れをなしたが、マッサージの部屋はいたって健全で
熟女ならぬ、美女が数名スタンバイしていた。
90分のスポーツマッサージは今まで私が数々経験したマッサージの中で
かなりの腕前であった。
蒸しタオルを凄く活用してとても気持ちがよい!
マッサージの中で、お顔のマッサージがあると思えば
、顔そり、髭剃りまでしてくれる。
挙句の果ては、私が46年生きてきて初体験の
「きゅうりパック」までしてくれる。
お得度は凄くある。
体もお顔もすべすべになってインチョン国際空港へと戻った。
ソウル発ホノルル行きの大韓航空は夜の10時前にソウルインチョン
空港を出発した。
日本と韓国は時差は無いが、日本韓国とハワイは時差がある。
今回のホノルル到着初日の朝から私はアメリカ審美歯科学会の
プログラムを申し込んでいた。
機内ではすぐにでも寝ないといけない!
そのための秘密兵器として私は騒音キャンセルヘッドフォンと
アイマスクを用意していた。
機内食は食べない!アルコールは控える!!
これで完璧と思っていた私だが、機内食にビビンバが出てきた瞬間、
どこかのスイッチがはいってしまて完食してしまった。
ソウルからホノルルまで7時間30分のフライト!
私は何時間の睡眠が取れるのか?
ホノルル到着は予定通りの時間!
無事届けてくれた大韓航空に感謝するとともに
少しでも早く空港を出ようと考える。
ウキウキトロリーも、入国審査もとてもスムーズに終わり
空港からタクシーを拾って、会場のホノルルカンファレンスセンターの
すぐ横のアラモアナホテルへとタクシーを走らせる。
部屋に早めにチェックインができたので、急いでシャワーを浴びて
スーツに着替えて、学会会場へと歩いてゆく!
日本から申し込んでいたのでスムーズに手続きは進んで
私はアメリカ審美歯科学会にほとんどはじめて参加することができた。
日本の学界とアメリカの学会の大きな違いは
その費用の違いと、システムの違いだった。
日本で学会に参加すると1万円から高くても3万円程度の参加費で
参加できるのだが、このアメリカ審美歯科学会の参加費は15万円程度かかる。
日本の学会の数倍である。
しかし、高いこそ至れりつくせりのサービスがあって
ハンズオンコースと言って少人数制の実習付きのコースが数多く選べることと
会員同士の親睦を深めるためのミーティングと称しての飲み会、食事会の
多さも特筆すべきである。
またこの学会は朝も早く、朝の7時から展示会場は開いていて
参加者はこの横のスペースで無料で朝食や昼食のサービスを受けることができる。
まさに日本にはない形式の学会である。
到着した午前中、日本アンチエイジング歯科学会会長の松尾先生のレクチャーを受けて
私は、初めてのランチサービスを利用することになった。
結構込んでいる。日本人の姿を探すも見つからない!
8人がけの丸テーブルの空いている席を探して
「ここ空いていますか?」と英語で話しかける。
その瞬間、驚いた出来事が起こった。
「君はどこから来ているの?」
そのテーブルの初対面の4名が椅子から立ち上がって
「ウエルカム!私はナッシュビルから来ているマイクだよ!」
「私は、フロリダから来ているトムだよ!」
「君を歓迎するよ!」
と最高の笑顔を持って大歓迎を受けたのだ!
驚いた!このフレンドリーな対応は日本では考えられない!
「笑顔」とありがとうの言葉が日本一の歯科医院と言いながら
この人たちの笑顔のすばらしさは何だろう?
やはり、アメリカは凄いと思った瞬間だった。
昼休み、展示物を慣れない英語を駆使しながら
面白いものはないかと、がんばって聞いて回った私だが
午後のレクチャーは、思い切って少人数制の
ハンズオンのコース、前歯のオールセラミックスと
ラミネートベニアの歯の削り方のコースへ参加した。
会場を見渡すと、日本人の姿は見当たらない!
横に座ったアメリカ人と目が合った瞬間
「ハイ!私はカリオフォルニアから来たトムだよ!」と
握手を求められる。
何とかなる予感?
講師の先生の英語は早口で言っていることの20%程度しか理解できない!
またアメリカの先生は凄く歯を削る!すぐに歯を削る傾向にある。
これをそのまま日本に持ち帰るのは?と疑問に思いながら
折角の時間なので有効に使おうと見よう見まねで実習を進める。
本当にフランクに進み、その場で会場から多くの質問が出た。
講師の先生のジョークが、その場で笑えない自分が悲しい!
歯科の単語なら理解できるはずと思い込んだ自分が情けない!!
初日のレクチャーを終えて、時差に少しだけ苦しみながら
歩いて5分のアラモアナホテルへと戻った。
このホテルは会場から近くていいのだが
6階の私の部屋からは海はもちろん見えないで
山ももちろん見えないで目の前のビルの壁しか見えない
部屋だったが、ここですごす時間は少ないので
特別に不便は感じない!
それよりも私にとって一番大きな問題は
どこで誰と夕食を食べるかということだった。
学会の会場にはホワイトニングで有名な椿先生や、スピーカーをされた
松尾先生の姿があった。今までに何回かお話をさせてもらったことは
あるのだが、いきなり夕食をご一緒しましょうと言う仲でもない!
他に会場であった日本人の先生に積極的に声をかけるも
団体で来られていたり、家族の方と来られていたり!
私のように1人ボッチでの飛び込みの先生の姿は無い!!
あきらめて、アラモアナの先までトボトボと歩いて
韓国料理の店に入る。
ここで食べた辛い冷麺と甘いカルビの夕食はとても美味しかった。
一人で食べる辛い冷麺だがとても美味しかった。
部屋に戻り、京都大学の先生が書かれ勉強の仕方の本を
最初の数ページ読んだところで私は深い眠りに付くのだった。
翌朝はあえてモーニングコールは頼まないでも6時に自然に目が覚める。
すでに私の体は時差を克服できたようでうれしく思う。
アラモアナホテルの目の前にアラモアナビーチパークがある。
朝の6時からここではジョギングを楽しむ人たち、のんびりウォーキングを楽しむ人たちで
溢れ返っていた。(東京の皇居の周りのように!)
私は日本からジョギングシューズを持参していた。
間違いなく今の私は運動不足だ!またワーカフォリック仕事中毒の傾向がある。
今回のホノルル滞在は学会で最新の歯科の情報を勉強しながら
私は空き時間に運動を始める体つくりをしたいと考えていた。
野球の選手が暖かな地域でキャンプをすると同じように私もホノルルで
体つくりをはじめたい!
意気揚々とスポーツウエアに着替えた私はジョギングシューズを履いて
アラモアナビーチパークへと走り出した。
暖かい方が体が動きやすい!怪我をしにくい!!
それは私にとっては迷信に過ぎなかった。
体が重くて、少し走るだけで息が上がる!
私より20歳は年上のランナーに平気で追い抜かれる。
これは体を壊すと、早々にホテルへと戻った。
またもやスーツに着替えて、会場へと向かう!
早朝の7時過ぎから会場へは多くの参加者が募って
朝食を食べたり、展示物を見ている。
8時からはジェネラスセッション!
このセッションは講義ではなくて、ハワイのポリネシアンダンスや
フラダンスのパフォーマンスがある一種のエンターテイメントショーだった。
驚いた!アメリカはやはり凄い!!
9時30分からSJCDの山崎先生のレクチャーを受けるために
会場へと移動!
時間通りに始まらない!参加者の平気で遅刻する!!
これもアメリカらしい??
しかし、今回のアメリカ審美歯科学会は5年前の学会と比較すると
参加者の人数も展示会場の規模も少なく、椿先生に言わせると
半分の規模ではないかと言われる。
この世の春を謳歌していたアメリカの歯科もこの不況で
かなりの大打撃を蒙っている上に、本土からハワイまでは
アメリカ人にとってはかなりの遠距離になるらしい!
例年よりかなり参加者の数が少ないと言われる。
私も5年前のイメージがあったので、凄く参加者
が少なく感じた。
でも、それでも日本を代表する山崎先生のレクチャーがこの人数?
驚くとともに、ここで共にレクチャーを聞くはずの日本人の歯科医師の先生は
ビッグネームの方ばかり!
こんな特等席で素晴らしい先生たちと共に
日本を代表する山崎先生の話が聞ける私は幸せ者だった。
山崎先生の英語は堪能で、アメリカ人の先生との質疑応答は
さぐがとうなったが、山崎先生の英語のスピードならほぼ80%は
理解できた。
深い時間が共有できた。
椿先生に誘われて、学会の後、ヒルトンワイキキビーチホテルへと移動して
「インターナショナルミーティング」に参加した。
これはアメリカ以外の外国から参加している海外の先生が集まって
ホテルの中庭でお酒と軽食を楽しみながら親交を深めましょうと
言う立食パーティなのだが、参加して本当によかった。
寂しいから誰かに話しかける!
話しかけるから、誰かと繋がる!!
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、解散の時間となった。
日本から来ている他の先生はやはりグループか家族連れの先生が多かった。
顔見知りの椿先生を夕食にお誘いしようかと思っていたが
パーティに奥様とお子様と一緒に来られていた。
一人寂しくホテルまで戻り、近くのベトナム料理店でフォーを食べた。
このフォーが、涙が出るくらい美味しかった。
早いもので今回参加している
アメリカ審美歯科学会も5月1日の
午前中で最終日!
最終日は午前6時からアメリカらしく
5Kのファンライド!
皆で5キロを一緒にジョギングしましょうと言う
イベントがあったのだが、ウェイクアップコールに
失敗して、目が覚めると8時を回っていた。
昨日のインターナショナルミーティングで
この学会の情報を収集した。
朝一番で思い切ってレクチャーの内容を変える。
誰か会場に日本人の姿はないか
見渡すも誰一人日本人は見かけない!
これは今夜の夕食も一人ぼっちかと思いながら
一番人気のコッシのレクチャーを受ける。
途中の休憩時間に椿先生の姿を見つけた。
椿先生から「誰かに会いましたか?」と聞かれる。
昨日まであれだけいた日本人の先生はどこに
雲隠れしてしまったのか?
3時間の講義が終わり、椿先生に話をすると
今からアラモアナで家族と待ち合わせてランチと言われる。
それが本当にうらやましい!
実は今日の夕食、この学会のガラディナーにご一緒しませんか?
と椿先生に昨日誘われてうれしく思ったのだが
その時点でチケットがすでにソールドアウトしていたので
縁が無かったとあきらめるしかなかった。
山崎先生をはじめ、著名な先生の姿はどこにも無かった。
ほとんどの先生はヒルトンに宿泊されていて
ガラディナーもヒルトンで開催されるので
夕方にヒルトンをウロウロとすれば
誰か夕食をともに取ってくれる人が見つかるかも?
しかしハワイのヒルトンワイキキビレッジはとてつもなく
巨大!約束も無く、単に歩きまわるだけで夕食を共に
取ってくれる人を見つけるのはこの段階では
可能性は極端に低い!
せめて昨日の山崎先生のレクチャーの後で名刺の1枚でも渡して
レクチャーの感想を述べておくんだった!
チャンスの女神は前髪しかないことを実感した。
今日の夕食はアラモアナショッピングセンターの中にある六角
と言う和食の店で一人食べようと予約をした。
六角はアラモアナの中ではわかりにくい場所にある。
予約時間の6時15分に間に合うように急いで六角に
私は向かっていた。
大きな通りから横にそれて、小さな通りを急いだ。
あの角を曲がれば六角があるはずだ!
驚いた!なんとそこには日に焼けた山崎先生が奥様と
座っているではないか?
山崎先生も私の存在を日本人の学会に参加した歯科医師と
認めてくれて、立ち上がって挨拶をしてもらった。
「すみません!こんな場所ですが、名刺だけお渡ししてもいいですか?」
アラモアナの片隅で私と山崎先生の話ははずんだ。
「今度、広島にSJCDを立ち上げたので、ぜひ先生も力を貸して下さい!」
「こんな私でよろしければ喜んで!」
その場で奥様と山崎先生を私が食事に誘ったかどうかって?
私はそこまで野暮じゃない!
海外での3時間もの発表を無事終えて
奥様とまったりとアラモアナの片隅でくつろいでいる
先生の邪魔をする訳にはいかない!
しかし、あのタイミングであの場所で山崎先生と
ばったり会って話ができるなんて果たして偶然だろうか?
いやこれは偶然でなく、私の強い思いが呼び込んだのだ!
引き寄せの法則だ!
だからこれ以上を私は望まない!
大きな勇気をもらった私は、一人で六角での和食を楽しんだ!
投稿者 nakano : 2009年05月04日 23:19