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2009年06月13日
虫歯洪水の時代
土曜日の診療は新患ラッシュ!
今日のほとんどの新患は、お子様。
定期健診の子供も含めて
今日は1日、お子様デー!
小児歯科の様相を呈する当院。
小さな子どもの鳴き声が、他のお子様の
鳴き声を呼び、共鳴する。
狭い診療室では、やはり大人と子供のブースは
分けるべきか?
小さな子どもの泣き声に、顔をしかめる
サラリーマンのおじ様の顔が怖い!!
6月の土曜日の今日の診療は
70%がお子様の治療と定期健診だったろうか?
学校検診の紙をもらいましたと!新患のお子様の予約が
ドンドン入っている。
開業して18年目で、まだ近所の子供で、当院に初めて来る子供が
こんなにいるのか?と驚きながらも、
子供と接するのは私にとっては、嫌いなことでは無い。
先日のテレビでも、フリップを使って説明したのだが
それでも日本の子供の虫歯は、10年前に比較して激減している。
岡山市内では、3歳児検診で、12年前には
60%の子供が虫歯を経験していた。
それが2年前は30%、一番新しい数字では、
3歳半で24%の子供が、虫歯を経験しているに過ぎない。
12年間で60%虫歯経験者は少なくなった。
他の年代でも同じで、10年間で50%程度子供の虫歯は減少している。
診療室でも奥歯が全滅なお子様や、前歯がお歯黒状態の真っ黒の
子どもは今ではほとんど見かけない。
これは、保護者の方の虫歯予防に関する意識が高くなったことと
フッ素入りのは歯磨き粉の使用が、大きな原因だと言われている。
私が歯科医師を一生涯を通じての職業にしようと目指した
1つの大きな理由は、自分の虫歯の多さだった。
この時期には、毎年決まって学校検診で虫歯の紙をもらって
歯医者に通うことが、私の人生のこの季節の風物詩だった。
10年前で、今の2倍、子供の虫歯は多かったのだが
私が子供時代の40年前は「虫歯洪水の時代」と言われていた。
子供の虫歯は当たり前の時代が存在したのだ。
昔の歯医者、40年前の歯医者は、待合室にも入りきれないほど
患者さんが溢れ、凄く忙しいので、子供だった私の虫歯の治療に
麻酔をなかなかしてくれなかった。
タービンと言う機械でなくて、黒い紐がぐるぐる回って歯を削っていた。
時々してくれた麻酔、これが凄く痛かった。
特に歯の裏側、口蓋に麻酔を打つ時の痛みは、私は未だによく覚えている。
無茶苦茶、痛かった。
小さなころから無茶苦茶痛い虫歯の治療を永遠と
経験してきた私は、悲しいことに性格が歪んだ。
私は産婦人科の母親教室で妊婦さんに、いつもこう言っている。
「あなた方がお腹を痛めて生む子供を
私のような不幸な子供にしないで下さい。
虫歯ゼロの育児を目指して下さい。」
私が校医をしているO幼稚園では、今年は虫歯経験者は
わずかに30%
全体の70%のお子様は、全く虫歯ゼロ!とても綺麗なお口の中だ。
私が求める理想の未来が、やっと巡ってきた。
投稿者 nakano : 2009年06月13日 21:53